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しかし、シティには喫煙家に寛大な会社もある。
そこでは、特別に喫煙家の社員のために、喫煙室を設けている。
空気清浄機を取り付け、たばこの煙や匂いが外に漏れないように工夫しているが、喫煙しない社員には非常に不評だ。
まず「不公平だ」という声があがる。
喫煙者は勤務時間中であっても、三々五々喫煙室に行きたばこを吸うことが認められている。
つまり、喫煙者には勤務時間中の「休憩」が(つまりサボることが)公認されていることになり、そうした時間が与えられていない非喫煙者は「不公平だ」と言うのだ。
もっともなことだ。
事実、喫煙室には雑誌や新聞が置かれ、一服しながら休憩する格好の場所になっている。
第二に、実際問題として、どうしてもたばこの煙や匂いがオフィスに漏れる。
他の社員から「がまんできない。健康に悪い。ガンになったらどうしてくれるのか」という声があがる。
どうも、スモーカーの旗色は悪いようだ。
私の知る限り、社内に喫煙室を設けるのは、上層部にスモーカーが多い会社である場合が多い。
さて、ここで私はふと考えるのである。
すでに述べたように、心身のコンディションに人一倍気を遣い、最高の運用実績を目指すディーラーやファンドマネジャーが多い一方で、シティにヘビースモーカーもまた多いのはなぜか?と。
矛盾するようであるが、これは実はコインの裏表の問題なのである。
刻々と変わる市場を追い、素早い判断を下さねばならない彼らの仕事は過酷だ。
精神的にも大きなストレスがかかる。
これを排除して、ベストコンディションを維持するためにはジョギングする人やジムで運動をする人もいれば、同じストレスが原因でついたばこに手が伸びる人もいる。
ただ、シティの大企業の重役陣を見ると、圧倒的にノンスモーカーが多い。
これも面白い傾向と思う。
私自身、十数年前までは愛煙家だった。
日本で証券マンだった私は一日中相場を追いつつ、客に電話をしながら、たばこを吸っていた。
当時の証券マンにはヘビースモーカーが多かった。
営業の部屋には一日中、たばこの煙が充満していた。
たばこを吸わない人たちは、さぞ迷惑だったことだろう。
吸い過ぎは体に悪いと思って、代わりに飴玉をしゃぶるようにしたら、これまた飴玉を口にするようになった。
糖分の取り過ぎも体に良くない。
そこで、仁丹をかじるようにしたら、一日中、仁丹を口に含んでいなければ落ち着かなくなり、あやうく仁丹中毒(?)になりかけた。
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